かわいい人よ




曲名とか構成とかネタバレになることも書いてるのでまだ見たくない人は回れ右でお願いします


小山田壮平の弾き語りツアーに来た
仙台は初日、弾き語りツアーで来るのは2年ぶり

一緒に行く予定だった友達が熱が出てしまったので今日はひとり
ひとりで壮平くんの歌聴きに来るのいつぶりだろう、6年前のandymoriのツアー以来かな

開場して少ししてから着いたけど、番号のわりに並んで待ってる人が少ないなと思ったらパイプ椅子が並べられていてまさかの着席ライブだった
椅子も全員分あるわけではないので最後列の立ち見ゾーンで見ることに

2年前、仙台に来た弾き語りツアーでは壮平くんが座りながら歌いお客さんは立っていたけど、今回は逆で壮平くんは立って歌いお客さんが座るスタイル

着席ライブなので最後列でもステージがよく見える
袖から登場した壮平くんを見てやっぱり思ってるより背が高いんだなあと毎回思うことをまた思った

1曲目は宇宙の果てはこの目の前に
大好きな歌声
いつ聴いても、何回聴いてもびっくりするくらい変わらない壮平くんの声が本当に好き
3月にALのツアーに行ったし特別久しぶりに聴いたわけではないはずなのに、うわーっこれ私が大好きな声だーっと変な噛み締め方をしてしまった 鳥肌立てながら

大好きな歌声とギターの音だけが自分の身体に届いて、感動しすぎて思わず「うっうわあぁ…」「おおぉぁぁ…」みたいな情けない声が出そうになるのを必死にこらえた
同時に涙もこらえた

ライブ見て曲聴いて無意識に声が出そうになるなんて初めてだった

喋り始めると、年齢にそぐわないくらいあどけない小山田壮平になるんだもん
何年ステージに立ってんのってぐらいぎこちない喋りと進行
ひとりだから余計になのかな

でも歌ってるときも喋ってるときもずっとニコニコしていた

ピーナッツキャンプに出たとき猫ひろしがいるのを見つけて猫さ〜ん!って声かけたら猫ひろしに僕andymori聴いてたんですよー!って言われてLINEを交換した話なんかめっちゃ笑った
猫ひろしってそこにさん付けるんだ

今年はカネコアヤノさん、曽我部恵一さん、田渕ひさ子さんと対バンした話もしてた
ナンバーガール時代の田渕さんのギターに当時インスピレーションをもらったことがあり、その曲を作ったと披露してくれた

彼女のジャズマスター、という曲

そう言えばステージにはアコギが2本とエレキが1本置いてあって、エレキギターでの弾き語りも多かった
エレキにカポ付けてる人初めて見たけどよくやるもんなのかな

途中からピアニストの宮崎真利子さんが参加
「仲間を連れてきました」って嬉しそうに言う顏が良かった

どうぞ!って上手側を向いて呼び込んだらまさかの下手側から宮崎さんが登場してしどろもどろになって「す、素敵なドレスですね」とか言ってた
曲入る直前にギター変えるの忘れてて急いで変えたらやっぱ変えなくていい曲で慌てて元のギター持ち直してて「テンパってます」って笑ってた 落ち着いて
最初にもお客さんが座ってるから緊張感がある、みんなリラックスして聴いてって言ってた
緊張してたのかな

ピアノとギターと声だけの空間
ギターでの弾き語りはバンドの雰囲気を残した印象があるけど、ピアノが入るとまるで違う曲みたいに聴こえる

ピアノが入って演奏した最初の曲はpeaceだった
「本当の心」の歌詞を優しく歌っていたのが印象的で、こんなの弾き語りでしか聴けないよなあと嬉しくなった

一番びっくりしたのは、無までの30分
明るいジャズみたいに仕上がってて、少しポップですらあった
宮崎さんのピアノにはとんでもない力があるなあ

途中でこのライブが二部構成であることが知らされて、10分の休憩

開演前から会場内のBGMはずっと海外の音楽だったんだけど、休憩が終わるころに突然西城秀樹の走れ正直者が流れ出した


いきなり毛色が違うお気楽な曲始まったしてかこれヒデキじゃねって感じのクスクス笑い声が出てきたころ、ハーイハイハムじゃない〜らへんで壮平くんが再登場したから爆笑した

西城秀樹にもさくらももこにも何を言うでもなくニコニコしながらそのまま歌い始めたのが1984
感情迷子

休憩を挟んでからは自分が少し落ち着いたのか、歌詞だったり曲だったりからいろんなことを思い出したり考えたりしながら聴いていた
途中少しつらくなるくらいいろんなことを思い出した

好きだよ、好きだよ、好きだよ、嘘でもいいから言ってよ みたいな歌詞ってなんの曲だっけ
やめてよそんなこと歌うの、って思うくらい苦しくなった
古傷が痛んだ

「せっかくのワンマンなので」と言ってカバー曲も歌った


ギターを持たずアカペラで、スタンドマイクにしがみつきながらときどきがなるように歌ってた

知らない曲でもこんなに好きになるから私は壮平くんの声に心底惚れ込んでいる
たぶん私が嫌いな曲を壮平くんが歌ったら簡単に好きになっちゃうと思う


アンコールの1曲目は16
前回の弾き語りツアーの前、小山田壮平のツアーなのにandymoriの曲が聴けるか期待することが後ろめたいことなのではと悩んでいた自分がいたけど、1曲目に歌ったのがこの曲で、それですべてが報われた気がして、その日から自分の中で特別な曲になった
目に涙が溜まって、歌ってる姿はよく見えなかった

「サインって曲です」ってやった新曲、かわいい人よ・愛しい人よって最後何度も繰り返してて、そういえば7月に壮平くんのオーディナリーミュージックでウルフルズのかわいいひとを選曲してて意外だなあと思ったことを思い出した
これも田渕さんのギターみたいなことなのかもしれない

最後の最後はまた宮崎さんのピアノとsunrise&sunset
andymoriとはまったく別物のしっとり切ない曲になってた
それで初めてこの曲って本当はすごく寂しい歌詞なんだって実感した
andymoriのときは歌詞を読んでも一度も思わなかったのに

1曲1曲終わるたびに必ずありがとうって照れながら言う姿が好きだ

andymoriがまだいて、夢中で聴いていた高校生のころ、壮平くんは尾崎豊に似てるなあって漠然と思ってた
壮平くんが脱法ドラッグを使ったときと、死にかけたときにそれがまた嫌な形でリアルなものになった

けど今日のライブでたったひとりでステージに立って歌う壮平くんを見て、また似てるなあって思った
今度は良い形で、経験が持つ歌と声の説得力が私の中で尾崎豊と重なった


何度も言うけど、私は本当に壮平くんの声に惚れ込んでしまっている
人でも物でも本当に好きになっちゃうと、自分のものにしたいとか究極この人になりたいとか思ってしまうんだけど、壮平くんにはなんでか思わない
たくさんの人に知ってほしい、聴いてほしいって気持ちとも違う
聴ければそれでいいし、いるだけでいいって気持ちになる

一回この人死ぬのかもしれないって思ったからそう思うのかな

もし壮平くんが歌えなくなったら私はこの先どうしたらいいかわからないと思う
誰かが一人死なないと壮平くんが二度と歌えなくなるとかなったら率先して死ぬと思う
自分の命なんか簡単に差し出せるくらい好きな声なんだな

何があっても歌う人でいてほしい
お願いしなくてもそうでいてくれると思うけど、目を離したらいなくなっちゃうような儚さがある人だから、チャンスがあるうちはいくらでも焼き付けておきたいと思うわけだ

こんな気持ち悪い人間を生み出しちゃうくらいには凄いシンガーなんだよ、あんなにあどけない顔してて


来月は新潟でまた同じ気持ちになるんだろうな