僕らは君ひとり



10/31のハライチのターンの、岩井さんのエッセイを草野マサムネが読み、勧めていたという話でむちゃくちゃ熱くなった。岩井が嬉しいとわたしも嬉しい…


7月に実家を出て、ひとりでこの部屋で暮らし始めて早いもので4ヶ月が経った。特に問題もなく悠々自適に暮らしている。ただひたすらに常にお金がないということだけがネック。遊びが全くない。ギリギリジンジンジン。

自慢することではないけど、一人暮らしを始めてから料理を1回もしていない。そもそも料理道具を揃えていない。包丁も鍋もフライパンもおたまも何一つない。まな板はある。なんでだよ。
料理が全くできないわけではない。チャーハンとオムライスぐらいならわたしにだって作れる。ただチャーハンもオムライスも外で食べた方が確実にクオリティが高いものが食べられるから。
あと掃除も洗濯も自分一人でしなきゃいけないのにさらに料理までやってる気力はない。

最初はテレビもなかったけど、職場の先輩が家で使っていない小さいテレビを譲ってくれた。常にテレビが点いている実家だったので、テレビの音が聞こえている状態が普通であり無音はもはや異常なのだ。
住み始めたばかりの7月、いろいろあって精神的にどん底にいた。無音のひとりの部屋がよりそれを加速させ、毎日泣きながら寝ていた。テレビがあるとひとりでも笑うことができるから良い。テレビ最高(テレビっ子)

8月の終わりごろ、母と妹とわたしのグループラインに母から「じいちゃんが倒れた」という連絡が来た。短い時間でいろんな最悪のパターンを考えた。こういうときどうしても良い方向に考えられない。親族や身内が死んだことがなく、身近な人間が死ぬかもしれないという状況はこんなにも不安なのかと知った。仕事中に泣きそうになったりした。それと同時に、直近で職場の人と休みの日に遊ぶ約束があったりライブに行く予定があったりしたので、状況によってはその楽しみが潰れる可能性もある…とそっちに悲しくなってしまった自分に悲しくなった。
その後じいちゃんは一時入院したもののすぐ退院して、9月に会いに行ったらめちゃくちゃ元気だった。わたしと妹が家を出てからさっぱり顔を出さないから若干オーバーに言ったらしい。なんだよも〜〜って笑って言ったけど本当は久しぶりに会ったじいちゃんとばあちゃんの顔を見て泣きそうだった。わたしの好きな人、絶対にわたしより先に死なないでほしい。その日は遊びに来てたいとこの子ども3人と遊び倒し、新米5キロをもらって帰った(米農家)

いろんなタイミングも重なり、 一人暮らしをしてからよりひとりが浮き彫りになった。よく遊んでいた友達は転勤し、よく3人で集まっていた地元の友達も一人は京都へ引っ越しもう一人ともなかなか休みが合わず全然会えなくなった。職場の人としか遊んでない。
休みの日は家から出ないか、近所の喫茶店でぼんやりして暗くなったら帰る、みたいな生活。これはこれで好きだけど、前ほど友達と定期的にブワーっと喋り倒す機会がなくなったのはさみしい。たまに無意識にテレビに向かって喋っている。

引っ越してきた町の好きなところならいくらでも話せる。もともとすごく好きだなと思っていたところだから。職場までも歩いて通えて、地下鉄の駅も近くにあって、何より好きでよく通っていた喫茶店が近所になった。町全体の雰囲気が昭和で止まっているところも好き。振り返るとすぐ山が見えるところも良い。(実家のあたりと比べたら)都会なのか田舎なのか曖昧なラインなところも良い。あと家から1分のところにある喫茶店の店主のキャラが良い。

休みの日の昼間に少々大きめの音量でレコードを聴くのがささやかな楽しみ。どんぐらい隣に聞こえてるかはわかんないけど。向こうの音が大して聞こえてきたことはないから夜以外はあんまり気にしてない。
発売から一ヶ月、スピッツの見っけを常にターンテーブルに置いてすぐ聴ける状態にしている(出したりしまったりが面倒なのもあるけど)
何回聞いても感想はまとまらず、適当な言葉も見つからず、漠然とあ〜〜好き〜〜と思っている。自然と前作と比較してしまうが、醒めないのような砂もホコリすらもキラキラしてる世界とは違って、地に足ついたというか半分ぐらい地面に埋まってるぐらいどっしりして、その地面からひとつ光るでっかい宝石を掘り起こしたような喜びが染み込んだアルバムだと思った。
派手さはないけど、だからこそ延々ループできる温度感で、虫になってみたり快速乗ってみたり旅人になってみたり、妄想が捗る適温がずっと保たれていて、気がつくと何回目かわからないくらい虫になって快速乗って旅人になっている。
一番好きなのはヤマブキかな!今の気分!曲自体は全然覚えてなかったけどゴースカで聴いたときの感動は思い出せた。これ、わたしがよく知ってるスピッツの大好きな感じ!って感動。
なんかもう、スピッツがいてくれればそれでいいんだよな。一生スピッツのいいなりでありたい。